復元「ナオミの家」
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神戸市岡本に大正十一年に建築された、谷崎潤一郎が「痴人の愛」を執筆した通称「ナオミの家」を家主の都合で平成18年に取り壊されることを知りました。

そこで私、則岡宏牟は当時その保存運動をされていた武庫川女子大、たつみ都志教授に協力を申し出ました。

建築されてから80数年をえた建物は傷みは酷いものの、奇跡的に谷崎が直に触れた床、ドア枠、窓枠、窓建具などが残っていました。

当初、岡本のすぐ近 所の岡本梅林公園に移設の話が神戸市役所とまとまっていましたが、着工の時になって近隣の方の同意が得られず、岡本に建築する事は残念することになりました。


それから9年、保存運動に携わっておられた方々は、あらゆるところに保存先を探しましたが見つからず、このままではあらゆる条件(解体時に携わってきた職人の高齢化、経済の悪化など)を考えた時、このままでは再建築自体も危ういと考えるようになりました。最後の手段として各新聞に土地の提供者を募りましたが一般公開の条件に合うところはありませんでした。

もう、とりあえず建てるしかない、建てて保存さえすれば時が経ってもまた岡本に土地が見つかれば移築はできるとの考えもあり、和歌山牟三 荘に移築することに決まりました。

和歌山牟三荘は新宮市の「佐藤春夫記念館」まで約110km、また芦屋市の「谷崎潤一郎記念館」まで約110km。そう、ちょうど谷崎と佐藤 のルートの真中辺に当たるのです。
皆さんご存知のように谷崎と佐藤は切っても切れない縁で結ばれているのです。

最後にこの移設に関して保存運動に携わってきた皆さ ん、建築に関してボランティアで協力くださったみなさん、そして今後の運営にボランティアガイドなどに参加して頂いている皆さん、に御礼申し上げます。

平成28年3月23日 則岡 宏牟